活動報告
島根県一般会計補正予算・島根県中小企業制度融資等の知事専決処分について
筆者:高橋まさひこ
2020.07.31
補正予算の趣旨
新型コロナウイルス感染症対策とて、県内経済や県民生活の回復に向けた施策や学校等における感染防止・学習環境の確保などについて早急に追加実施する必要があることから、地方自治法第179条第1項に基づき、知事の専決処分により補正予算を措置した。
専決処分日:令和2年7月31日
一般会計
①補正予算額:6,214,448千円
(補正後の一般会計予算額:505,465,402千円)
②内訳
Ⅰ.医療提供体制・感染症対策:445,654千円
- 1.医療提供体制強化:31,051千円
- 2.学校等における感染防止・学習環境の確保:414,603千円
Ⅱ.県内経済や県民生活の回復に向けた施策:4,249,391千円
Ⅲ.県民生活支援:566,513千円
Ⅳ.その他:952,890千円
- 1.県民・県外へのきめ細かな情報発信:237,248千円
- 2.県行政の体制強化等:715,642千円
合計:6,214,448千円
[既計上予算の増額分]:5,515,847千円
中小企業制度融資等特別会計
①補正予算額:10,647,570千円
(補正後の中小企業制度融資等特別会計予算額:60,686,569千円)
- 制度融資の融資枠:1,800億円(700億円を増額)
②内訳
- 中小企業制度融資貸付:10,146,030千円
- 中小企業制度融資利子補給金:501,540千円
[債務負担行為(補正による増額分)]
- 中小企業制度融資保証料補給金:1,907,400千円
- 中小企業制度融資利子補給金:1,740,060千円
- 中小企業制度融資損失補償金:600,000千円
補正項目
Ⅰ.医療提供体制・感染症対策
- 1.隠岐の感染症患者等搬送体制整備事業:31,051千円
- 2.低所得世帯における家庭学習等の通信費支援:24,280千円
オンラインでの家庭学習や遠隔授業を支援するため、低所得世帯の通信費相当額を支援
- 3.浜田水産高校レーダーシュミレーター整備:51,000千円
- 4.特別支援学校就職対策強化事業:19,953千円
- 5.聴覚障がい児学習支援事業:1,796千円
教員がマスクを着用する場合に、聴覚障がいのある児童生徒の授業理解に支障をきたさないよう、教員の音声をリアルタイムで文字化するアプリを導入
- 6.特別支援学校の教育活動の支援11,151千円
- 7.県立高校寄宿舎等への円滑な帰寮の確保:15,000千円
- 8.私立学校における感染防止対策等:96,488千円
私立学校における環境整備を支援
- 9.私立専修学校における感染防止対策等:23,659千円
私立専修学校専門課程における環境整備を支援
- 10.県立大学における感染防止対策等:43,142千円
県立大学における環境整備を実施
- 11.私立学校における遠隔授業等の環境整備:72,970千円
臨時休業等に備え、ICTを用いた遠隔授業等を実施するための環境整備を支援
- 12.県立高等看護学院における遠隔授業等の環境整備:21,570千円
臨時休業等に備え、ICTを用いた遠隔授業等を実施するための環境整備
- 13.保育所・放課後児童クラブ等職員のための相談体制整備事業 :33,594千円
保育所、放課後児童クラブ等における適切な感染防止対策等のため、市町村が行う感染症専門家等による派遣指導等を支援
Ⅱ県内経済や県民生活の回復に向けた施策
Ⅰ.県内経済を守る施策
1.新型コロナウイルス感染症対応資金 (中小企業者等向け) :3,152,285千円
同資金の「融資枠の増額」1,100億円→1,800億円
- 国庫補助制度分800億円→1,200億円
- 県単独制度分300億円→600億円
同資金の概要
- 保証料を全期間0%(不要)
- 借入後3年間は無利子
- 県単独制度により融資限度額及び融資枠を大幅に拡大し、既往債務の借換にも対応
2.新型コロナウイルス感染症対応資金(農業者、漁業者向け) :12,796千円
新型コロナウイルス感染症の発生に起因した農林水産物の消費減少、販売価格の下落等により、経営に影響を受けている農業者、漁業者に対する融資制度について、返済期間及び取扱(申込み)期間を延長する制度拡充を実施
「返済期間」(今回拡充分)
10年以内→15年以内(据置期間3年以内を含む)
「取扱(申込み)期間」(今回拡充分)
令和2年9月30日→令和2年12月31日
3.商業・サービス業感染症対応支援事業:1,082,310千円
新型コロナウイルス感染症の防止対策や事業継続のための取組を行う中小企業者等を市町村とともに支援する
「商業・サービス業感染症対応支援事業」について、市町村からの追加要求を踏まえ、国庫補助事業に加え、県単独補助事業を創設して増額
①国庫補助事業(248,310千円)
国庫補助の追加配分を活用して増額
「負担割合」国2/5・県1/5・市町村1/5・事業者1/5
②県単独補助事業(834,000千円)
国庫補助の追加配分を超える市町村要望額について、事業者負担割合を変えない制度を創設
「負担割合」県2/5・市町村2/5・事業者1/5
事業の概要
「対象業種」
小売業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業
「1事業者あたりの事業費」
10万円(下限)~100万円(上限)
4.労働相談の充実(くらしのサポート相談事業) :2,000千円
Ⅲ.県民生活の支援
1.通所介護事業者等のサービス継続支援事業:21,078千円
休業要請を受けた通所介護事業者等における代替サービス提供に係る増加経費を助成
2.障がい者就労継続支援事業所の事業存続支援事業:27,000千円
障がい者の働く場所の確保及び賃金・工賃の確保を図るむため、就労継続支援事業所の生産活動の存続・再起に向けて必要となる経費を助成
3.障がい福祉サービス事業者等のサービス継続支援事業:30,736千円
休業要請を受けた通所障がい福祉サービス事業者等における代替サービス提供に係る増加経費を助成
4.障がい者支援施設等の個室化支援事業:1,699千円
障がい者支援施設において多床室を個室化する際の改修に要する経費を助成
5.生活福祉資金の特例貸付:486,000千円
休業や失業塔で収入減少があった世帯に貸し付ける特例の生活福祉資金の貸付原資を増額
Ⅳ.その他
県民・県外へのきめ細かな情報発信
1.首都圏等向け島根の情報発信強化事業:237,248千円
- 県行政の体制強化等
2.県有施設における環境整備:215,642千円
新型コロナウイルス感染症の感染拓大を防止するため、不特定の者が利用する県有施設等の手洗い設備などの整備を実施
- トイレの手洗い設備の給水栓自動化
[実施箇所数]137施設1,264か所
[主な整備施設]県民会館、くにびきメッセ、三瓶自然館、浜山公園等
- 和式トイレから洋式トイレへの改修
[実施箇所数]20施設102か所
[主な整備施設]いきいきプラザ島根、石見武道館、西郷港、石見海浜公園等
- 手洗い場の整備
[実施箇所数]2施設6か所
[実施箇所数]浜山公園、万葉公園
3.新型コロナウイルス感染症対策調整費:500,000千円
新型コロナウイルス感染症の影響により新たに生じる財政需要に機動的に対応するための枠予算を増額