活動報告
ショッピングリハビリで介護予防
筆者:高橋まさひこ
2019.11.28
高齢者が買い物を楽しみながら健康を増進し、地域の商業振興にも役立つ、「ショッピングリハビリ」。年々増える高齢者の健康維持が課題となるなか、光プロジェクト株式会社(雲南市木次町)杉村卓哉社長が考案した「ショッピングリハビリ」での介護予防が注目を集め、今やそれを活用したリハビリテーションサービスが全国に広がっているようです。
10月29日木次町里方のマルシェリーズ2階にある「ひかりサロン雲南」を訪問し、杉村社長の熱のこもったお話を聞くことができました。
杉村社長は地域の高齢者の皆さんを元気にする仕事に携わりたく、学校を卒業して作業療法士の資格を取られ、その後買い物用の楽々カートを開発され「高齢者を光齢者」にと、高齢者が豊かに過ごせる地域社会の創造を目指し、事業展開をされています。
ショッピングセンターの広い管内で、楽々カートを使用しながら商品を眺めて楽しくモールウォーキングすることで、足腰の弱い方でもたくさん歩くことができますし、買い物中の友人や店の店員さん等との楽しいやりとりは、コミュニケーションのリハビリにもなります。
また、棚の商品を取るには、目で見て脳が判断し、体の筋肉や関節を動かすなどの複雑な動作がリハビリのための大切な要素になりますし、お金の支払いには予算内の買い物をする計算能力や財布のお金を出し入れする指先の動きにより脳に有効な刺激を与えることとなります。
このようにショッピングリハビリは健康増進と買い物弱者対策、また社会保障費の抑制、そして地域経済の活性化という3つの社会課題解決につながります。
外出しながら、楽しみながら運動することで、高齢者が要介護状態になることを防ぎ、いつまでも在宅で生活できるのがこの事業の概要であり、たくさんの介護予防の効果が期待できると感じました。
高齢者に笑顔と元気を与え、介護予防にもつながるこの事業は雲南市・島根大学・光プロジェクトの三者で連携し、すでに地元雲南市の日常生活支援総合事業として取り組みがなされていますし、他の商業施設からも注目を集めている事業ですので、今後県内外に広まるよう応援したいと思います。