活動報告

中山間地域・離島振興特別委員会県内調査について

筆者:高橋まさひこ
2020.10.09

中山間地域・離島振興特別委員会県内調査について

10月6日から7日にかけて、園山委員長所管の特別委員会で隠岐の島現地調査を実施しました。

当該委員会は、中山間地域・離島における諸課題の解決や中長期視点に立った地域の維持活性化策の検討を目的に議会の特別委員会として設置されています。今回は、隠岐地域における産業振興の取組事例や医療提供について実地調査を行いました。

調査先は次の通りです。

特産の大きな岩ガキ

限られた時間であったが、経済や医療、住民生活が離島という条件不利地帯の中で、生き抜くための知恵を感ずる調査であった。

(有)池田木材店(池田代表取締役)と(株)吉崎工務店(吉崎専務取締役)の若き二人が出席され、黒松の特徴を生かした内壁材の生産と照明器具の生産コラボ。特に照明器具はヨーロッパの高級ホテルに販売していく計画とのこと。木目を生かした加工技術や照明の陰陽はヨーロッパの人々を魅了する商品になるそうです。

隠岐病院では特別委員会の委員からは、重症患者があったとき、ドクターヘリや防災ヘリが使えない場合の対応について多くの質問がありました。また、医師確保や経営改善について意見交換をおこなったところです。

(有)隠岐潮風ファームでは、自給飼料の確保、年3回しか開かれない子牛市場では隠岐で生まれた子牛を確保の困難性など話し合いしました。外国人観光客や高級レストランでの需要が落ち、コロナの影響が出ているようで、高級和牛肉で離島のハンディを克服してきた努力が厳しくなっている現状を聞き、GOTOイートで消費拡大を強く望むところです。

隠岐の島前病院では、日本医師会の赤ひげ大賞を受賞されている白石吉彦医院長が隠岐島前病院への赴任の経過や専門医よりも総合医の必要性を話されました。

この病院では、総合医と言っても内科・小児科・外科外来まで6名の複数制でこなす先生方で、平成20年からはweb型の電子カルテを運用し、カルテ情報の共有化で緊急時や医師不在時にも対応できるようにされています。往診もされており、医院長からは、若い頃から往診に行ってきたが、最近では他の医師に取られ、月に2から3回程度になったと残念そうに話されました。

徳島県出身の医院長は奥様の故郷である島根県に[1年間、頑張れよ]と送り出されたのが西ノ島だったようです。すでに20年近くへき地医療を支える大変明るい先生に、全国から年間100人もの医学生や看護学生が研修にやってくるそうで、県下の地域医療に携わる先生方の思いが伝わる調査でした。

条件不利地帯である隠岐の島。今回の調査を通じて意見交換で得た多くの課題を政策に反映するために、島根県中山間地域・離島特別委員会の一員として引き続き頑張ってまいります。