6月29日雲南市立病院と町立奥出雲病院の両病院で、地域医療連携推進法人「雲南市・奥出雲町地域医療ネットワーク」が設立され、その設立記念事業として記念式典及び記念講演会が木次経済文化会館チェリヴァホールにて開催された。

雲南市・奥出雲町における地域医療連携法人について

設立の経緯

深刻な医師不足の状況にある奥出雲町より雲南市に対し、雲南市立病院と町立奥出雲病院が連携し、医師をはじめとする医療職の確保を図っていくための方策について検討・協議する場を設けてほしいとの依頼があった。

これを受け、島根県雲南保健所にも参画いただきながら協議をしていく中で、両病院が連携を強化し、医師確保等に取り組んでいく手段としては島根県が推進している「地域医療連携推進法人」を設立することが最善策であるとの結論となり、連携推進法人設立に向け準備を進めることとした。

1.目的

雲南市、奥出雲町では少子高齢化が加速度的に進み、住民の暮らしの基盤である医療提供体制については、深刻な医師不足(国が示した「医師偏在指数」全国335区域中、雲南圏域は333位)により脆弱な状況となっており、その改善が喫緊の課題である。今回、地域医療連携推進法人制度を活用することで市町を越えた圏域内での取り組みを強化し、医療従事者の確保・育成を行い、医療提供体制の確保を図る。その上で、医療機能分担等を推進し、両市町において良質かつ適切な医療を効率的に提供できる体制を確保し、住民が安心して暮らせるまちをつくることを目的として設立された。

2.主な取組内容

◎病院相互間の機能分担及び業務の連携

• 医療従事者を確保・育成
• 医療安全及び感染防止対策の充実、強化
• 災害時の相互支援
• 情報共有・活用
• 共同研修
• 島根県保健医療計画及び島根県地域医療構想を踏まえた機能分担
• 共同購買

◎地域包括ケアシステムの推進

3.今後の方向性

雲南市圏域における医療連携推進法人のスケールメリットを出すため、まずは雲南圏域内の自治体立病院に法人への参画を働きかける。その後、民間病院、雲南医師会等との法人参画の協議わ進め、より有機的な連携体制を構築する。また介護・福祉分野との連携協議を行政とともに連携し進めていく。

以上、令和3年6月29日開催の地域医療連携推進法人　雲南市・奥出雲町地域医療ネットワーク資料より掲載しました。

このように雲南市・奥出雲町の地域医療連携推進法人が設立されたことにより、今後両市町・両病院等が連携を密にし圏域医療を守る体制ができました。地域医療の発展に大きな役割を果たすものと大きな期待を持っています。そして、「住民が安心して暮らせるまちづくり」が一層進みますよう願っています。